現役RPAエンジニアが以下の内容を解説します。
- RPAエンジニアの基本的な仕事内容と役割
- RPAは「やめとけ」と言われる具体的な理由と実態
- 年収相場とキャリアパスの可能性
- 必要なスキルセットと学習方法
- ワークライフバランスの実態
- RPAエンジニアとして成功するためのロードマップ
はじめに:「RPAエンジニアはやめとけ」と言われる背景
「RPAエンジニアはやめとけ」「将来性がない」「きつい割に給料が安い」
こんな意見をネット上で見かけたことはありませんか?
未経験からRPAエンジニアへの転職を考えている方や、キャリアパスに悩む方にとって、本当の実態を知ることは重要です。
この記事では、「やめとけ」という意見の真偽を検証し、RPAエンジニアのリアルな実態と将来性について解説します。
RPAエンジニアへの転職・転向を検討している方の不安
以下のような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
会社でRPA導入プロジェクトが始まり、自分もITスキルを身につけたいと思っています。でも「RPAエンジニアはやめとけ」という声も聞くし、本当に将来性があるのか、労働環境はどうなのか、未経験からでも挑戦できるのか不安です。貴重な時間を投資して学ぶ価値があるスキルなのか、判断材料が欲しい…
こうした不安や疑問に、経験者の視点からお答えしていきます。

まさに僕も同じことを思っていました



現役RPAエンジニアが徹底的に解説し、その疑問を解消します!
すぐに本題に入りたい方はこちら↓
「RPAエンジニアやめとけ」と言われる5つの理由【実態解説】 の章はこちら
RPAエンジニアとは?基本情報と役割



そもそもRPAエンジニアって何する人ですか?



顧客の仕事を自動化・効率化するお仕事です。
前提知識としてRPAについて見ていきましょう
RPAとは何か?業務自動化の基本概念
RPA(Robotic Process Automation) とは、人間が行う定型的な業務を自動化する技術です。
具体的にはデータ入力やデータ照合、レポート作成など、反復的なPC操作を自動化します。
RPAはシステム開発と比較して、導入が比較的容易、既存システムに大きな変更を加えずに導入できる点が魅力です。


RPAエンジニアの主な業務内容と責任範囲
RPAエンジニアはツールを操作するだけではありません。
クライアントのビジネスプロセスを理解し、効率化につながるソリューションを提案・実装する立場にあります。
具体的には以下のような業務を担当します。
- 業務分析と自動化対象の特定
- 業務プロセスの分析と課題の洗い出し
- 自動化が効果的な業務の特定
- ROI(費用対効果)の算出
- RPAの設計と開発
- 自動化シナリオの設計
- RPAツールを使った開発
- テストと品質保証
- 運用と保守
- RPAボットの監視とメンテナンス
- エラー発生時の対応
- システム変更に伴う修正
- 教育とサポート
- 操作マニュアルの作成
- エンドユーザーへのトレーニング
- 継続的な改善提案



RPAエンジニアは意外と様々な業務を担当するんですね



開発だけでなく、業務プロセスを理解し最適化することも重要です
必要なスキルセットと他IT職種との違い



思ったより業務範囲が広かったので、どんなスキルが必要なのか気になります



RPAエンジニアは技術的スキル、ビジネス理解のバランスが求められる職種です。



RPAエンジニアに必要なスキルセットと、その他IT職種との違いを見ていきましょう。
RPAエンジニアのスキルセット
- 1. RPAツールの操作スキル
-
- UiPath、Blue Prism、Automation Anywhereなどの主要RPAツールの知識
- ワークフロー設計と実装能力
- 2. プログラミングの基礎知識
-
- 複雑な自動化のためのプログラミング理解(Python、VBA、C#など)
- 条件分岐やループなどの基本的なプログラミング概念の理解
- 3. ビジネス分析能力
-
- 業務プロセスの分析と可視化
- 改善点の特定と提案能力
- 4. コミュニケーション能力
-
- クライアントからの要件ヒアリング
- 非技術者へのわかりやすい説明
- 5. データ操作の知識
-
- Excel、Access、データベースなどの基本操作
- データ形式や構造の理解
他IT職種との違い



RPAとシステムエンジニアやプログラマーとの違いは何ですか?



RPAエンジニアは自動化に特化しているのが特徴です
- 1. システムエンジニアとの違い
-
RPAエンジニアは既存システムの上で動作する自動化に特化し、SEはシステム全体の設計・開発に関わる
- 2. プログラマーとの違い
-
RPAエンジニアはビジュアルな開発環境を主に使い、プログラマーは言語そのものでのコーディングが中心
- 3. 業務知識の重要性
-
RPAエンジニアはビジネスプロセスの理解が特に重視される



一般的にイメージするコードを書く人は、プログラマーだったんですね



RPAエンジニアはコーディングは必須ではありませんが、基礎知識は押さえる必要がありますね
「RPAエンジニアやめとけ」と言われる5つの理由【実態解説】
「RPAエンジニアはやめとけ」という意見の背景には、いくつかの懸念があります。
実際の現場ではどうなのか、詳しく見ていきましょう。
「単調な作業が多い」という声の真偽



RPAの目的は定型業務の自動化なので、RPAエンジニア自身も単調な作業を繰り返すだけなのでは?



確かにRPAは定型業務の自動化が目的ですが、RPAエンジニアの業務は多岐にわたります
- 業務分析:クライアントの業務を理解し、効率化できるポイントを特定する分析作業
- ソリューション設計:最適な自動化手法を考案する設計作業は、問題解決力と創造性を発揮できます
- トラブルシューティング:予期せぬエラーや例外パターンへの対処には、問題解決能力が求められます
RPAエンジニアの仕事は「ルーチンワークの自動化」ですが、その過程は決して単調ではありません。
現役RPAエンジニアの声
確かに一部の作業は反復的ですが、クライアントごとに業務内容や課題は全く異なります。
その度に新しい知識を身につけ、ベストな自動化方法を考えるクリエイティブな一面もあります。
「専門性が狭く技術の幅が広がらない」という批判



RPAツールの操作だけを覚えても、他のIT分野で通用するスキルが身につかないのでは?



RPAエンジニアが身につけるスキルは意外と広範囲で、他のIT分野でも活かせるものが多いです
- プロセス分析能力:業務フローを分析し最適化する能力は、システム設計やPMの仕事でも重要
- データ処理スキル:データの取得、変換、加工といったスキルはデータサイエンスなど様々な分野で活用可能
- システム連携の知識:複数のシステムを連携させる知識はシステムインテグレーションで役立つ
- AIとの連携:最近のRPAはAIと連携するケースが増えており、その知識はデータサイエンスやAI分野でも活用可能
さらに、RPAプロジェクトを通じて様々な業界の業務知識も習得できるため、ビジネス面でのスキルも広がります。
RPAエンジニアはITコンサルやDXコンサルなど、より視座の高い業種へのキャリアパスにもなります。
「将来性がない」という懸念の検証



AIの進化によってRPAが不要になったり、技術的に陳腐化するのでは?



RPAの市場は拡大を続けており、AIとの融合によって更なる発展が見込まれています
- 市場規模の拡大: 世界のRPA市場は2028年まで年平均25%成長すると予測されています
- 企業のDX推進: 多くの企業がDXを推進しており、その中でRPAは重要な役割を果たしています
- AIとの融合: RPAはAIと融合することで、より知的な自動化が可能になっています
日本企業のRPA導入率は年々増加傾向にあり、特に中小企業ではまだ導入余地が大きいため、今後も需要は続くと見られています。
ビジネスリサーチ社の見解
RPA市場は急成長中で、2024年に79億ドル、2028年には192億ドルに拡大すると予測されています。
AIや機械学習との連携による高度な自動化エコシステム形成で、RPAの需要も維持される見込みです。
https://blog.tbrc.info/2024/09/robotic-process-automation-rpa-market-forecast/



とはいえ最近AIエージェントも出てきたしどうなるかな?



良い着眼点ですね!
AIとRPAの関係性について補足しましょう
RPAはAIに取って代わられる?という疑問について
AIエージェント登場後も、RPAとAIは対立するのではなく互いに補い合って進化しています。
RPAは定型的なパソコン操作を得意とし、AIは複雑な判断や予測を得意としています。つまりお互いの強みが異なるということです。
両者の組み合わせとして、以下のような事例があります。
- AIがレントゲン画像から異常を見つけ、RPAが医師に通知を送信
- 手書き書類をAIが読み取り、RPAがシステムに入力する
現在のトレンドは、AIが「頭脳」としての役割を、RPAが「手足」としての役割を担うハイブリッド型の自動化です。両技術の融合により、より幅広い業務の自動化が可能になっています。
「給与が思ったより低い」という評判



RPAエンジニアは思ったより給料が低いのでは?



RPAエンジニアの年収は経験やスキルレベル、勤務先によって大きく異なります
経験別の平均年収目安
経験レベル | 平均年収(日本円) |
---|---|
未経験 | 300万円〜400万円 |
経験者(3年以上) | 400万円〜700万円 |
フリーランスRPAエンジニア | 600万円〜1,000万円以上 |
DX(RPA)コンサルタント | 600万円~1000万円以上 |
- 参考文献:求人ボックス
- 参考文献:FOSTERNETNAVI
- 参考文献:国税庁「民間給与実態統計調査」
未経験の場合は給与は高くありませんが、経験を積むと大きく伸ばせます。
特にフリーランスやコンサルタントとして働くことで、年収を大きく伸ばせるでしょう。



ちなみに私はRPA経験4年のフリーランスで、年収1000万を超えています(2025年時点)
「キャリアパスが限られる」という不安



RPAという比較的新しく、狭い専門分野に進むことで、キャリアの選択肢が限定されるのでは?



RPAエンジニアからは実は多様なキャリアパスが考えられます
RPAエンジニアから目指せる主なキャリアパス
- RPAコンサルタント
- 業務分析と自動化戦略の立案に特化
- 平均年収:800万円
- プロジェクトマネージャー
- RPAプロジェクトのマネジメントを担当
- 平均年収:890万円
- DX推進リーダー
- 企業のデジタル変革を推進する立場
- 平均年収:1,150万円
- ITコンサルタント
- 業務知識を活かした幅広いIT戦略の提案
- 平均年収:930万円
RPAエンジニアの経験は、業務プロセスの理解や効率化の視点を養うのに役立ちます。
IT/DX/RPAコンサルタントやプロジェクトマネージャーなど、より上流工程への移行の助けになるでしょう。



なるほど!これで不安を払拭できました!
RPAエンジニアのリアルな年収とキャリアパス



続いて年収やキャリアパスについて、深堀りしていきます
雇用形態別の年収相場(未経験〜ベテラン)
RPAエンジニアの年収は、経験年数やスキルレベル、勤務先の規模や業種によって異なります。
雇用形態別の一般的な年収相場は、以下の通りです。
雇用形態別平均年収
雇用形態 | 平均年収 | 補足情報 |
---|---|---|
正社員(全体平均) | 350万円〜550万円 | 企業規模や地域によって差がある |
SIer勤務 | 500万円〜700万円 | 大手SIerでは更に高い場合も |
ベンダー企業 | 550万円〜800万円 | 外資系ではさらに高額になる傾向 |
コンサルティング会社 | 600万円〜1,000万円以上 | スキルと実績に応じて大きく変動 |
フリーランス | 600万円〜1,000万円以上 | 安定して案件を獲得できた場合 |
現役RPAエンジニア(筆者)の年収推移
IT業界未経験からRPAエンジニア転職時は400万円からスタートし、2年目にフリーランスとして独立。3年目で800万円、現在は1200万円です。フリーランスとしてRPA導入や教育など、様々な案件に携わることで知見を深め、収入をUPすることができました。
フリーランスのRPAエンジニアの場合、月額単価は案件によって40万円〜100万円以上と幅があります。
特に複数のRPAツールに精通していたり、特定業界の業務知識が深い人材は、高単価の案件を獲得しやすい傾向にあります。



フリーランスやコンサルタントになれば、高収入が狙えそうですね
年収アップのための具体的ステップと必要スキル



RPAエンジニアとして年収を上げる方法は?



高年収=市場価値が高いということです。
この視点で解説していきますね。
市場価値を高めるには、技術スキルだけでなく『なぜ自動化するのか』『どの業務を自動化すべきか』といったビジネス的な視点を持つことが重要です。クライアントの業務を深く理解し、本質的な課題解決ができる人材が重宝されます。
RPAエンジニアとして年収を上げるには、以下のようなステップが効果的です。
- 複数のRPAツールのマスター
- 主要ツール(UiPath、Blue Prism、Automation Anywhereなど)を複数習得する
- ベンダー認定資格を取得する
- 専門性の確立
- 特定の業界(金融、製造、医療など)に特化する
- 業務プロセス分析のスキルを高める
- 上流工程へのシフト
- 要件定義や設計能力を磨く
- プロジェクトマネジメントのスキルを身につける
- 関連技術の習得
- AI/機械学習の基礎知識
- データ分析スキル
- クラウドサービスの知識
- コンサルティングスキルの強化
- コミュニケーション能力の向上
- 提案力・プレゼンテーション能力の強化
- ROI算出などのビジネス知識



特にAI関連知識は今後重要性が増していくと思います!
RPAエンジニアから目指せる4つのキャリアパス



続いてキャリアパスについて深掘りします
RPAエンジニアのスキルと経験を活かして、様々なキャリアパスに進むことが可能です。
1. RPAコンサルタントへの道
RPAエンジニアとしての知識を基盤に、クライアントの業務分析や自動化戦略の立案、ROI算出などを行う役割です。
- 必要なスキル
-
- 業務プロセス分析能力
- 自動化戦略の立案能力
- コミュニケーション・プレゼンテーション能力
- ROI計算などのビジネス知識
- キャリアステップ例
-
- RPAエンジニアとして3年程度の実務経験
- RPAプロジェクトの上流工程(要件定義など)の経験を積む
- RPAコンサルタントとしての案件を担当
2. プロジェクトマネージャーへの昇格ルート
RPAプロジェクト全体を管理し、チームをリードする役割です。
- 必要なスキル
-
- プロジェクト管理手法(WBS作成、進捗管理など)
- リスク管理能力
- チームマネジメント
- クライアントとの折衝能力
- キャリアステップ例
-
- RPAエンジニアとして複数のプロジェクト経験
- サブリーダーとしての経験
- PMの資格取得(PMP®など)
- RPAプロジェクトのPMとして活躍
3. DX推進リーダーとしての発展
RPAを含む様々なデジタル技術を活用して、企業の業務改革を推進する役割です。
- 必要なスキル
-
- 幅広いデジタル技術の知識(RPA、AI、クラウドなど)
- 変革マネジメント
- ビジネス戦略の理解
- リーダーシップ
- キャリアステップ例
-
- RPAエンジニアとして実績を積む
- 複数の自動化プロジェクトの成功事例を作る
- 業務改革プロジェクト全体のリーダーを担当
- 全社的なDX推進担当者として活躍
4. 幅広いITコンサルタントへの転向
RPAの知識をベースに、より広範なIT戦略コンサルティングを行う役割です。
- 必要なスキル
-
- IT全般の幅広い知識
- コンサルティング手法
- 業界知識
- ビジネス分析能力
- キャリアステップ例
-
- RPAエンジニアとして複数の業界で経験を積む
- より広範なIT関連の知識を習得
- コンサルティングファームへの転職またはキャリアチェンジ
- ITコンサルタントとしてのプロジェクト経験を積む
現役DX推進リーダーの経験談
最初はRPAエンジニアとして入社しましたが、自動化プロジェクトを通じて業務全体を見る視点が身につきました。その経験を活かして今は全社的なDX推進チームのリーダーを担当しています。RPAは単なる技術習得ではなく、ビジネス変革の手段として捉えることで、キャリアの幅が大きく広がります。
最新RPAツールと求められるスキルセット2025年版



RPAって色んなツールがあるけど、どれを選べばいいの?



主要なRPAツールを比較してみましょう



それぞれ特徴や強みが異なるため、習得するツールの選択は将来のキャリアにも影響します
主要RPAツール比較(UiPath/BluePrism/Automation Anywhere)
特徴 | UiPath | Blue Prism | Power Automate |
---|---|---|---|
使いやすさ | 直感的なUI、低コード開発が可能 | IT専門家向け、やや学習コストが高い | 直感的なUI、Microsoft製品との連携が容易 |
市場シェア | 全世界で高いシェア | 大企業・金融業界で強み | 日本国内で急速にシェア拡大 |
強み | AIとの統合、コミュニティ活動が活発 | セキュリティ、ガバナンス機能が充実 | クラウドネイティブ、コストが低い |
習得難易度 | 比較的短期間で基礎習得可能 | やや難しい | 比較的容易 |
認定資格 | UiPath認定プロフェッショナル資格 | Blue Prism認定開発者 | Power Platform Fundamentals |
これらの主要ツールに加え、Automation AnywhereやWinActorなど、日本市場で採用が増えているツールも習得すると、より多くの案件に対応できます。
個人的なお勧めRPAツールは「Uipath」と「PowerAutomate」です。
迷ったらまずはUipath、続いてPowerAutomateの順番に学習しましょう!
AIとRPAの融合:最新トレンドと必要スキル
RPAは単独で利用されるだけでなく、AIや機械学習技術と組み合わせることで、より高度な自動化が実現されるようになっています。
今後のRPAエンジニアには、AIサービスを活用して非構造化データ(画像やテキスト)も処理できるスキルが重要になります。例えば、OCRとAIを組み合わせた請求書の自動処理など、従来のRPAだけでは対応できなかった領域にも自動化の範囲が広がっています。
現在のトレンド
- AI機能の組み込み
- 画像認識技術による非構造化データの処理
- 自然言語処理(NLP)によるテキスト分析
- 異常検出や予測分析との連携
- プロセスマイニングとの統合
- 業務プロセスの自動分析
- 自動化の優先順位付け
- 効果測定の自動化
- クラウドネイティブRPAの普及
- SaaS形式でのRPA提供
- クラウドサービスとの連携強化
- リモート環境での開発・運用
RPAエンジニアが今後身につけるべきスキル
- AI/ML基礎知識: 機械学習の基本概念やAIモデルの活用方法
- データサイエンスの基礎: データ前処理、分析、可視化の技術
- APIとの連携: 各種AIサービスのAPI利用方法
- クラウド技術: クラウド環境でのRPA導入・運用スキル
プログラミング経験の重要性と具体的に学ぶべき言語



RPAにはプログラミングの知識が必要ですか?



RPAツールはノーコードでも開発できるものの、効率的に開発を進めるためには、基礎的なプログラミング知識が必要です
もちろんプログラミング経験がなくてもRPAエンジニアとして入門できますが、キャリアアップのためには基本的なコーディングスキルを習得すると良いでしょう。
RPAエンジニアに有用なプログラミング言語
言語 | 関連RPAツール | 活用シーン |
---|---|---|
Python | UiPath, Automation Anywhere | 複雑なデータ処理、AI連携、カスタム機能開発 |
VB.NET | UiPath | 複雑なワークフロー制御、例外処理 |
C# | UiPath, Blue Prism | カスタムアクティビティの開発、高度な機能拡張 |
JavaScript | UiPath, Automation Anywhere | Webアプリケーション操作の高度なカスタマイズ |
VBA | – | Excel操作の高度なカスタマイズ、レガシーシステムとの連携 |



Uipathを学ぶ場合は、まずVB.NETの基礎的なメソッド(関数)を覚えればOKです
必要なプログラミング知識のレベル
RPAエンジニアには、必ずしも深いプログラミングスキルは必要ありませんが、以下のような基礎知識があると有利です。
- 変数と基本データ型
- 条件分岐とループ
- 関数とモジュール化
- エラーハンドリング
- 基本的なデータ操作




ビジネス知識の重要性と業務理解の深め方
RPAプロジェクトの成功率を左右するのは、技術力よりもむしろ業務理解の深さです。クライアントの言葉だけでなく、実際の業務を観察することで、『言葉にされていない課題』を発見できることがあります。
技術だけでなく、ビジネスの言語を話せるRPAエンジニアは非常に価値が高いです。
重要なビジネス知識
- 業務プロセス分析
- プロセスマッピングの手法
- 業務フローの可視化・分析能力
- ボトルネックの特定能力
- 業界知識
- 金融、製造、小売、医療など業界特有のプロセス理解
- 業界特有の用語・規制の知識
- 業界標準のシステムやツールの理解
- ROI分析
- 自動化による効果測定方法
- コスト削減効果の試算能力
- 投資対効果の説明能力
業務理解を深めるための方法
- 積極的なシャドーイング: 実際の業務担当者に付き添い、業務を観察する
- 業界セミナーへの参加: 各業界の最新動向を学ぶ
- 業務フロー文書の分析: 既存の業務マニュアルやフロー図から学ぶ
- 管理者との関わり: 業務担当者だけでなく管理者の視点も理解する
- 業界書籍・専門誌の購読: 業界に関する知識を体系的に学ぶ



これらの知識は実際にRPAエンジニアとして働きつつ身につけましょう
RPAエンジニアとして成功するためのロードマップ
RPAエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴



これからRPAを始めてみたいけど、向いているのか分からないよ



RPAエンジニアに向いている人の特徴を紹介します!
RPAエンジニアに向いている人
- 業務プロセスの改善や効率化に関心がある
- 論理的思考力と問題解決能力が高い
- 新しい技術を積極的に学ぶ意欲がある
- コミュニケーション能力が高く、ビジネス側の要件を理解できる
- 細部に注意を払い、分析的な思考ができる
RPAエンジニアに向いていない人
- 純粋なプログラミングだけを追求したい
- 変化に抵抗がある、または柔軟性に欠ける
- コミュニケーション能力が低い
- ビジネスプロセスの理解に興味がない
- 技術の進化に合わせた継続的な学習を好まない(RPAに限らずエンジニア全般に必要)
自分の特性や志向と照らし合わせて考えてみるとよいでしょう。
未経験からRPAエンジニアになるための具体的ステップ



未経験からRPAエンジニアになるために、何をすればいいの?



RPAエンジニアになるための、具体的なロードマップをご紹介します
6ヶ月ロードマップ
- 1ヶ月目: 基礎知識の習得
- RPAの基本概念と主要ツールの概要を学ぶ
- オンラインコースや書籍で基礎を固める
- 2〜3ヶ月目: ツールの実践練習
- 主要RPAツール(UiPathなど)の無料トライアル版で練習
- 基本的な自動化シナリオを作成
- 4ヶ月目: 小規模プロジェクトの実践
- 実際の業務で小さな自動化を試みる
- 個人的なポートフォリオプロジェクトを構築
- 5ヶ月目: 基本資格の取得
- RPAツールの基礎認定を取得(例:UiPath Associate)
- より複雑な自動化シナリオにチャレンジ
- 6ヶ月目: 就職活動・実務準備
- ポートフォリオを整理して面接に備える
- 未経験でも採用してくれる企業を探す



実践練習は自分の仕事や作業を自動化するところから始めると、スキルが身に付きやすいです
取得すべき資格とその活かし方



RPAツールの資格って必要なの?



実務において必須ではありませんが、転職や案件獲得で有利になる可能性が高いです
RPAツール関連の主要資格
資格名 | 難易度 | 取得にかかる期間 | 市場価値 |
---|---|---|---|
UiPath Certified Professional | 中〜高 | 3〜6ヶ月 | 高い(特にRPA導入初期企業) |
Blue Prism Developer | 高い | 6ヶ月〜 | 高い(大企業・金融機関) |
Automation Anywhere Advanced RPA Professional | 中〜高 | 3〜6ヶ月 | 高い(グローバル企業) |
RPA技術者検定(WinActor) | 中程度 | 2〜3ヶ月 | 中程度(日本企業向け) |
資格取得のメリット
- 客観的なスキル証明として活用できる
- 転職・昇進の際の交渉材料になる
- 案件獲得率の向上(特にフリーランスの場合)
- 高単価案件へのアクセス
資格を最大限活かすためのポイント
- 資格だけでなく、実践的なプロジェクト経験と組み合わせる
- 資格で得た知識を実際の業務改善に活用する
- 継続的に上位資格や関連資格を取得し、スキルの幅を広げる
- 資格取得の過程で構築したネットワークを活用する
資格は入り口であって、ゴールではありません。資格取得で学んだ知識を、いかに実務で活かせるかが重要です。
効果的な学習方法と推奨リソース
RPAスキルを効率よく習得するための学習方法とおすすめリソースをご紹介します。
効果的な学習アプローチ
- 座学と実践のバランス
- 理論だけでなく、実際にツールを触りながら学ぶ
- 業務の課題を想定した実践的な演習を行う
- 段階的な難易度設定
- 簡単な自動化から始め、徐々に複雑なシナリオに挑戦
- 基本機能をマスターしてから応用技術に進む
- 実際の業務への適用
- 学んだ知識を実際の業務課題に適用してみる
- 自分の日常業務の中で自動化できるものを探す
- コミュニティの活用
- 各RPAツールのコミュニティフォーラムに参加
- 勉強会やオンラインイベントに積極的に参加



繰り返しますが、スキル定着のコツは手を動かすことです。
まずは自身の業務や作業を自動化するのがお勧めです!
推奨学習リソース
リソースタイプ | オススメ資料・サイト | 特徴 |
---|---|---|
オンラインコース | UiPath Academy Udemy RPA講座 Coursera自動化コース | 体系的に学べる 実践的な演習あり 修了証明書が取得可能 |
書籍 | 「RPAの真髄」 「業務自動化の教科書」 「現場で使えるRPA導入ガイド」 | じっくり学べる 体系的な知識が得られる いつでも参照可能 |
YouTube | UiPath公式チャンネル Automation Anywhere Tutorial RPAエキスパートチャンネル | 無料で学べる 視覚的に理解しやすい 最新情報が得やすい |
差別化要素を身につける方法
差別化の鍵は、技術とビジネスの両面をバランスよく持つことです。
「技術的に優れたRPAを作れる人」は増えていますが、「ビジネス価値を創出できるRPAエンジニア」は少ないのが現状です。自分の強みを活かせる業界に特化し、その業界の言語で語れるようになることが、市場価値を高める近道です。
RPAエンジニアとしての差別化要因
- 特定業界への特化
- 金融、製造、医療など特定業界の深い知識を持つ
- 業界固有の規制やコンプライアンス要件への理解
- 業界特有のシステムへの知見
- 高度な技術組み合わせ
- RPA+AIの連携技術
- データ分析スキルとの組み合わせ
- クラウドサービスとの連携知識
- 上流工程の能力
- 業務分析・最適化の専門知識
- プロジェクトマネジメントスキル
- ROI計算などのビジネスケース構築能力
- 希少ツールの専門家
- 市場シェアの小さいがニッチな需要のあるRPAツールの熟練者
- 複数ツールの横断的な知識
- ツールのカスタマイズや拡張能力



これから転職を検討している人は、転職前の業種の知識も活かせますね!
RPAエンジニアのワークライフバランス実態
勤務形態と在宅勤務(リモートワーク)の可能性



RPAエンジニアになってリモートワークがしたいけど、実態はどうなのかな?



会社によりますが、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッド型が多いです。



もちろんフルリモート案件もあるので、フリーランスになれば自分の好きな勤務形態を選べますよ
RPAエンジニアの勤務形態は、雇用先や案件によって多様ですが、近年ではリモートワークの可能性が広がっています。
主な勤務形態
勤務形態 | 特徴 | リモートワークの可能性 |
---|---|---|
企業所属(正社員) | 安定した収入、福利厚生充実 | 会社方針による(増加傾向) |
SIer所属 | 様々なクライアント経験、技術力向上 | クライアントによる(ハイブリッド型が多い) |
コンサルティング会社 | 上流工程経験、高収入 | 比較的高い(クライアント訪問あり) |
フリーランス | 高単価、自由度高い | 非常に高い(完全リモート案件も多数) |
リモートワークのメリット・デメリット
- メリット:通勤時間の削減、集中できる環境、柔軟な働き方
- デメリット:チームとのコミュニケーション不足、孤独感、オン・オフの境界があいまい



私は会社員時代は出社中心で一部リモート、フリーランス以降はフルリモート案件のみです
残業時間の実態(企業規模・業種別)



エンジニアって残業が多いイメージがあるんだよなあ・・



私の実体験では、最大22時間、最小6時間でした。
周りを見ても極端に長時間労働している人は少ないように思えます。
RPAエンジニアの求人情報を調査したところ、平均残業時間は10-20時間程度がボリュームゾーンでした。
ただし残業時間は勤務先や担当プロジェクトによって大きく異なります。
RPAエンジニアの残業時間は、プロジェクトや企業によって差があるものの、過度な長時間労働が常態化しているわけではないと考えられます。
副業としてのRPA案件の探し方と報酬相場



RPAの副業案件ってあるのかな?



RPAは副業にも活かしやすい分野です。
RPAスキルを活かして副収入を得る方法をご紹介します。
RPAの副業案件を見つける方法
- 副業マッチングプラットフォーム
- Lancers、Crowd Works、ココナラなどのクラウドソーシングサイト
- 副業特化型エージェント(副業クラウドなど)
- テックフリーランス向けマッチングサービス
- コミュニティネットワーク
- RPAコミュニティイベントや勉強会
- オンラインフォーラムや専門SNSグループ
- 前職や知人からの紹介
- 個人ブランディング
- 技術ブログやSNSでの発信
- 小規模企業への直接営業
- セミナー講師やオンライン講座の開設



最初は「1.副業プラットフォーム」を利用するのが手軽でお勧めです
副業の報酬相場
以下の画像は、実際にCrowd Worksで検索して表示された案件です。
RPA開発は10万円~30万円がボリュームゾーンのようですね。


表にまとめると、以下のようなイメージです。
業務内容 | 報酬相場 | 必要期間の目安 |
---|---|---|
簡単なRPA開発 | 5〜15万円 | 1〜2週間 |
中規模RPA開発 | 15〜40万円 | 2週間〜1ヶ月 |
コンサルティング | 時給5,000〜10,000円 | 継続的 |
トレーニング講師 | 回数報酬3〜10万円 | 単発 |



副業としても、十分な収入になりそう!
フリーランスRPAエンジニアの実態(メリット・デメリット)



フリーランスは高収入のイメージがあるけど、実際はどうなのかな?



年収1000万円を狙うなら、フリーランスをお勧めします。
ただしデメリットもあるので、それを加味して判断しましょう。



高年収は魅力的だけど、営業して仕事を取ってくるのは難しそう・・



フリーランス向けの案件紹介エージェントを使えば、安定して案件を獲得できますよ
フリーランスエンジニアとして活動する場合のメリットデメリットをご紹介します。
メリット
- 高収入の可能性
- 月単価60〜100万円の案件も多数
- 複数案件の同時進行も可能
- 柔軟な働き方
- 案件を選べばフルリモートも可能
- ワークライフバランスの調整がしやすい
- 多様な経験
- 案件を選べるので、様々な業種・業界の案件に携われる
- 多様なビジネス知識の習得
デメリット
- 収入の安定性
- 案件が終了すると収入0のリスクがある(工夫次第でリスクヘッジ可能)
- 事務作業の負担
- 契約管理・請求書発行
- 確定申告などの税務処理(面倒なら税理士に依頼)
- 福利厚生がない
- 社会保険は自己負担(会社員は50%負担)
- 厚生年金がない(国民年金のみ加入義務あり)



個人的にはフリーランスをお勧めします。
未経験の方は経験を積んでからフリーランスになるのが良いでしょう。
RPAエンジニアを目指すべきか?最終判断とまとめ



RPAエンジニアについて理解できたけど、実際に目指すべきか迷うなあ・・



もしあなたの目標がコーディングスキルの習得や、新しいサービスの開発であれば、RPAエンジニアになるべきではありません。



業務効率化に興味がある方や、短期間でIT業界に転職したい方、比較的簡単に高収入を目指したい方にはお勧めします。



自分の目標をハッキリさせるのが重要なんですね!
あなたのキャリア目標とRPAの親和性
RPAエンジニアがあなたに適しているかどうかは、あなた自身のキャリア目標によって大きく左右されます。
◎ RPAエンジニアに向いているキャリア目標
- 業務効率化の専門家になりたい
- ITと業務の橋渡し役を担いたい
- 短期間で成果を出せる技術を身につけたい
- 多様な業界の業務知識を幅広く習得したい
- DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい
× RPAエンジニアに向いていないキャリア目標
- 純粋なプログラミングを極めたい
- 新しいシステムをゼロから構築したい
- ハードウェアやネットワーク技術を深めたい
- オリジナルのWebサービスを開発したい
RPAは「既存の業務プロセスを効率化する」という点に焦点があるため、「新しいものを創造する」よりも「既存のものを改善する」志向の方に向いています。
まとめ:悲観論と楽観論の両面から見た総合判断
最後に悲観的・楽観的な見方から、RPAエンジニアの将来を考えてみましょう。
悲観的な見方
- 技術の陳腐化リスク
- AIの進化によって現在のRPAが置き換えられる可能性
- ノーコード/ローコードプラットフォームの普及によるRPAエンジニアの需要減少
- クラウドサービスの進化による自動化の民主化
- スキルの限定性
- RPAツールに特化しすぎることによる汎用的ITスキルの不足
- 特定ベンダーへの依存リスク
- 基本的なプログラミングスキルの欠如(特にノーコード環境のみで作業する場合)
楽観的な見方
- 市場の持続的成長
- デジタルトランスフォーメーションの加速
- 労働人口減少による自動化需要の高まり
- RPAとAIの融合による新たな可能性の拡大
- キャリアの発展性
- 業務プロセス改善の専門家としての価値
- DX推進リーダーへの発展可能性
- 様々な業界での需要と経験の多様性
現実的な総合判断
RPAはITキャリアのスタート地点としては比較的参入しやすく、業務知識と技術の両方を学べる点で価値があります。同時に長期的なキャリア戦略としては、RPAスキルだけに依存せず、AIやデータ分析、クラウド技術などの関連スキルも段階的に習得していくことが重要です。
IT業界の進化に対応できるように継続的な学習を続けることが、長期的なキャリア成功への鍵となるでしょう。



RPAに限らずIT業界は常に進化しています。
学び続けることが成功の秘訣ですね!



市場価値の高いRPAエンジニアを目指して頑張ります!
本記事では、「RPAエンジニアはやめとけ」という声の真偽を検証し、実際の現場の状況や将来性について解説しました。RPAエンジニアは、適性や目標によっては魅力的なキャリア選択となり得ますが、長期的な成功のためには継続的な学習とスキル拡大が欠かせません。
あなた自身のキャリア目標や適性と照らし合わせて、最適な選択をしていきましょう!
コメント